7日間のブックカバーチャレンジ
2020年 05月 19日
📖7日間のブックカバーチャレンジ
繋げてくださったのは夢療法のお仲間、堀口歩さん。
絵本という振りでしたので、初回は安野光雅さんの「ふしぎなえ」にしました。
幼稚園の配本で買ってもらったのだと思います。絵のみで文はなし。繰り返しじーっと見て、不思議な高揚感を感じていた記憶があります。
長い年月を経て当時の物は手元に残っていませんが、数年前の板橋美術館の展示時に再購入しました。
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2回目は"「普通がいい」という病"。
著者は精神科医の泉谷閑示さん。
私自身、辛うじてギリギリの縁の辺りで社会に適応しようと右往左往し、見苦しくあがいてきた人間です。色々な要因から自己肯定感が持てずに生きて来ました。重たい話でスミマセン。何とか楽になりたい!自己探究の手段として始めたのが心理学やオーラソーマ、夢療法でした。
この本の[はじめに]のページに以下の様な文章があります。
ー私たちはみんな、ほかの人とは違う「角」(つの)を持って生まれて来ました。「角」とは、自分が自分であることのシンボルであり、自分が生まれ持った宝、つまり生来の資質のことです。(略)動物としての習性からでしょうか、集団の中で「角」のためにつつかれたりひやかされたりして、周囲から格好の餌食にされてしまうこともあります。そんなことが繰り返されますと、いつの間にかこの「角」があるから生きづらいんだと思うようになる人も出てきます。ー
私なりに一言で表すなら「角」を大事に生きる知恵を書いた本、かな。写真には写っていませんが、帯には「自分を取りもどす10講」とあり、9講の小径を行く〜マイノリティを生きる〜というタイトルは、時々思い出して大切にしている言葉です。
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3回目は「大島弓子傑作選」と「大島弓子名作集」、どちらかに選べなかったので2冊です。
高校時代は漫画とロックが合体した同人誌活動に参加してました。初期のコミケにも出たり。大島弓子さん、デビッド・ボウイがお好きでしたね。
手の質感や空間が感じられる絵と読後に残るセツナイ感じが癖になりました。
草冠の姫、まだ宵のくち、ハイネよんで、いたい棘いたくない棘、野イバラ荘園、ミモザ館でつかまえて、などなどタイトルもいちいち良い。昔集めた沢山の漫画本で手元に残したのはこの2冊だけ。どうしてなのか、当時の自分に聞いてみたいです。
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4回目も掟破りの2冊紹介です。(笑)
「茨木のり子の家」と「マーガレット・ハウエルの家」。
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5回目、「女性の心の成熟」、著者は心理療法家であり、妻、母である玉谷直美さんです。
思春期の頃、自分が女性に生まれた事を悔しいと感じた事がありました。今はもちろん女性で良かったと思っています。
夢療法を学び始めて、女性が成熟することの意味を以前より意識するようになりました。
少女から娘、母からの自立、性に対する態度、男性を受け入れるということ、娘の死(死の結婚)、母性、男性機能の統合、再び女性性へ。(全てをこのプロセスに当てはめて見ていくというより、あくまでも一つの位相として)
あの未熟な少女だった自分を思うと、この歳まで経験して来た現実はあまりに想像を絶する世界…きっと多くの女性も(男性も?)そう感じているのでは⁈生きるって大変!でも面白い…。この本の平易な文体も、著者の成熟度を表しているのだと私には思えます。
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6回目は画集「肖像神話ー迷宮の画家タマラ・ド・レンピッカ」。
19か20歳の頃、当時の親友と見に行った西武美術館のタマラの個展。講義の合間か、学校帰りか、はたまたサボって行ったのか定かではありませんが、すっかり虜になりました。出版はPARCO出版。西武やPARCOに一番活気があった時代でしょうか。時は流れ、一緒に見た親友ももう鬼籍に入りました。
当時、学生には6,800円という価格は高価でしたが、よほど欲しかったのだと思います。繰り返し見たので所々汚れもありますが、今でもページを捲ると、なぜかちょっぴりいけないことをしているような背徳的な高揚感を感じます。どこか少し暗さのある官能的な美?数年前、どこの美術館だったかはっきり覚えていませんが、他の大勢の画家の作品の中で数点のタマラの作品に再会しました。他とは惹きつけられ方が違う、やっぱり好きだと思いました。絵と共鳴する「暗さ」とか「悪」みたいなものが、私の中にしっかり存在するんでしょうね。
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ついに7回目です。「病気が教えてくれる病気の治し方」トアヴァルト・デトレフゼン/リューディガー・ダールケ著、シドラ房子訳。
長いこと体調が思うに任せず、いろいろ足止めを食らう日々に出会った本です。初めて読んだ時は、よく意味がわかりませんでした。
さらに20年以上前、オーラソーマというセラピーを学んで、初めてホリスティックという言葉と出会いましたが、全く腑に落ちていませんでした。そして、この本でようやくそれを理解しました。良い悪いの二元論、言い換えれば両極という捉え方の弊害、そして全体性(ホリスティック)、単一性に戻ることの大切さ。病気や体に現れる症状は、追いやられた自分の一部。だから病気も含めて自分が完全体となるということ。体に出た症状は、病気という形をとって実現された自分の中の影の一部・・・そう見ると病気も愛おしくなる?!
手厳しいところや読みにくいところもあるのですが、繰り返し読んだ大切な本です。今通っているホリスティックな歯科医院の先生もこの本を読んでいらして、やはり良い本だと。変な言い方だけど、思いがけず古い友達に再会したみたいで嬉しかったなぁ。
さて、7日間のブックカバーチャレンジ、やってみて楽しかったですし、自分を再認識することもできました。他の方の紹介を読むのも面白かったし、コメントのやりとりも楽しかったです。そう、他のテーマでのコメントのやり取りより、もう少し深くその人が知れるという意味で楽しかったのかな。これからも気が向いたら、勝手に本紹介をしようかとも思っています。
さて、最後にバトンを渡すのは私の古い友人、小倉裕美さん。彼女は和服のエキスパートで私の子育ての伴走者でした。どんな本を紹介するのか楽しみです。